190504/06 #観劇記録 #舞台マザー
アース製薬 presents
戦後 74年を飛び越えて
「MOTHER マザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~」
2019.5.4 13:00
2019.5.6 14:00
@新国立劇場 小劇場
http://www.airstudio.jp/index_19mother.html
君と好きな人が、百年続きますように…
元号が令和に代わって一発目の観劇。
新たな時代の幕が開いたこのタイミングで、この作品と出逢えたことをとても幸せに思います。
大東亜戦争時代、特攻隊員たちから母のように慕われていた鳥濱トメさんをモデルに描いた物語。
隊員たちは、
なぜ特攻するのか。
なぜ特攻したのか。
なぜ特攻できたのか。
一人一人にフォーカスを当てながら、それぞれの想いを描いていく。
実際の隊員たちの遺書が要所要所で読まれるため、当時の彼らの想いをよりリアルに感じ取ることができる。
特攻隊員とアメリカ兵の姿を重ねて描写することで、どちらか一方のみではなく誰にとっても戦争は悲しいものである、ということがより強く印象付けられていた。
ある隊員と、あるアメリカ兵が言った「戦争とはな、ジジイが始めて、おっさんが命令して、若造が死んでいく物語だ。」という台詞がすごく印象的だった。
愛する人や国を想う気持ちはみんな同じなのに、誰かの私利私欲のために始められた戦争のせいで、戦うことを選ばざるを得なかった彼らの現実を思うと、なんともやるせない気持ちになる。
みんな明るくて、笑顔で、優しくて、温かくて。だからこそその中に見え隠れする切なさがすごく胸に突き刺さった。
戦争によってつけられた大きな傷痕は、戦勝国、敗戦国、旅立つ人、残された人、、、誰にとっても、どれほど時間が経っても、きっと完全に癒えることはないのだろう。その痛みは私たちがどれだけ想像しても理解することは難しいものだろうけれど、この事実を伝え続けていくことはできる。
子供の頃、よく祖父が戦時中の話を聞かせてくれていたけど、そのほとんどを覚えていない。当時ちゃんと耳を傾けられなかったことに、今は後悔でいっぱいだけれど、だからこそ「ちゃんと知らなくては」という思いも強くなった。
忘れちゃいけない。知らなくちゃいけない。伝えなくちゃいけない。"過去のモノ"にしてはいけない。
観劇以来、日常のふとした瞬間に舞台越しに見た隊員たちの姿が思い浮かぶようになった。
彼らの笑顔を思い出すと、自分も自然と笑顔になれる。前を向こう、頑張ろうと思える。
毎日苦しみながらも、愛する家族のために働き続けていられること。
たまにこうして、趣味の観劇に時間を費やすことができること。
大切な誰かに、「また明日」という言葉を伝えられること。
そのどれもが、決して当たり前ではない奇跡のような幸せだということを改めて実感した。
彼らが必死に戦い抜いて残してくれた、「君と百年生きられる未来」。
この作品のテーマソングであるハナミズキの花言葉は、「永続性」「私の思いを受けてください」
人間に感情や欲望というものがある限り、きっとずっと争いはなくならないのだろうとも思ってしまうけれど、それでも、こんな日々がずっとずっと続いていくように、私たちはこの彼らの想いを伝え続けていかなくてはいけないね。
今年で11年目を迎えたというこの舞台は、きっと来年以降もずっと続いていくのでしょう。
また必ず観に行きます。来年は誰かを誘って行こう。
この作品が、一人でも多くの人の目に触れますように。
最後に、印象的だった遺書と関連リンク、ハナミズキの動画を貼っておきます。
http://www.chiran-tokkou.jp/learn/pilots/pilots002/
https://note.mu/wildriverpeace/n/nd51d51b6c82a
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1099.html
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1950.html