とりあえずてきとーにかたってみます。改(仮)

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薄桜鬼 黎明録

2015/05/30
ミュージカル「薄桜鬼 黎明録」を観劇してきました。

 

新選組を題材にしたゲーム原作のミュージカルで、今回が6作目。

 

あまり知られていないけど、薄桜鬼はミュージカル化する以前に、舞台化もされていました。製作会社もキャスト陣も全く別で。
「炎舞録」っていうのだけど、私はその舞台が大好きで、他の役者が演じる薄桜鬼は見たくない、と思っていました。

 

でも今回、応援している俳優の猪野広樹さんがご出演されるということで、毛嫌いしていた薄ミュも観に行ってみようかなと。

 

で、観劇するにあたって、過去作品も知っておこうと渋々ながらもこれまでの薄ミュをちらっと見てはみました。キャストもかなり変わっているみたいだし、前任者たちが作り上げてきたものを見ておくのもアリかなと。

 

でも、私はあまりハマれなかった。や、すごいんだけどね、やっぱり炎舞録の役者さんたちを越えられなかった。

 

だから今回、実際に生で観劇することで、このマイナスイメージをどう払拭してくれるか、楽しみだったんですけど。

 

実際に蓋を開けてみれば、過去作品を意識しすぎ。前任者たちの作り上げてきたものをなぞっているだけ。自分で役を考え、新選組の隊士として生きようとしているようには、あまり見えない役者さんが多かったです。

 

前任者へのリスペクトはあって然るべきものだと思うけど、それだけでは駄目だよね。

だから台詞のほとんどに重みを感じません。


どんなに迫力ある殺陣を見せられても、ただの演出でしかなくて。それ以上のものは感じられない。生きるか死ぬかの、命のやり取りをしているようには見えなかったです。

 

感動はした。最後は涙も浮かんだ。


けどそれは、新選組が好きだから。それぞれの抱く信念が交錯した、幕末の激動の世が好きだから。悩みながらもまっすぐ突き進んだ男たちの背中が好きだから。

 

薄桜鬼っていう作品の後ろにある史実に思いを馳せ、重ねて観ていたから、その後に彼らを待ち受けている運命を思ったら、自然と涙が出た。
この作品を観て何か感じるものがあったかと言うと、そうではないのです。

 

あと、芹沢さんの「龍之介」にやられた。ああいうのだめ。弱いっす。笑

 

猪野くんファン目線でいくと、歌の上達ぶりにビビりました。一番最初のソロパートで、ほんと衝撃うけた。すごいね、猪野くん。成長したね。(完全に親目線w)

 

殺陣は以前出演されていた別の舞台でも見ていたので心配してなかったです。そして、期待通りの姿を見せてくれました。

 

ただ、永倉新八としては、まだまだですね。新八にはなれてなかった。かっこよかったけど。
前任の宮﨑さんを目指したんだろうけど、私の中の新八はやっぱり誠治郎さんなので、自分なりの新八を見つけ出してくれない限り、猪野くんの新八は好きになれないと思います。

 

あと、見ていて印象に残ったのは原田左之助役の東啓介さん。
187センチの長身を活かした槍さばきがもうかっこいいのなんの。
あ、それだけなんですけど(笑)演技はまだまだ。

 

古株組はもちろん、芹沢鴨役の窪寺昭さん、新見錦役の篠﨑功希さん、山南敬助役の輝馬さんも存在感あって引き込まれましたね。

 

土方歳三役の佐々木喜英さんは、もっと土方にスポットが当たった脚本で見てみたいと思わされました。歌もお上手だし。

 

と、結局ほとんどのキャストさんに触れてしまいましたが、触れていないキャストさんが特別だめというわけではないです。でも、これといった印象もない。

猪野くんもそう。ファンだから目で追ってはいたけど、そうやって意識して見ていないとどこにいるのかわからない。気が付くとほかの役者さんばかり見ていました。

 

けど、ほんとに、彼らだけが駄目だったというわけではないです。
全体を通して、生モノの良さが感じられなかった。登場人物の息づかいが感じられなかった。

 

薄桜鬼と薄ミュっていう土台があることが、良くもあり悪くもあったねという気がします。

若手のイケメン俳優たちが歌い踊る姿や、歌いながらのかっこいい殺陣を見たいという方にはおすすめですが、舞台作品として何か得るものはこれといってなかったです。

これからに期待。ってところですね。次があるかは知らんけど。

 

あ、けど、芹沢鴨はすこぶるかっこよかったです。惚れる。

 

ちなみに、ツイッターとかで検索すると評判良さそうなので、私みたいなのは少数派意見のようです。
こんな見方もあるよということで、役者ファンや薄ミュファンの皆様にはご容赦いただきたく。