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むやみな情熱が確かに感じた真実【HERE WE GO!】嵐アルバムレビュー #10

 

アメーバブログ投稿エントリの再掲です。




嵐の楽曲を勝手に語ろう。第10弾。


残すところ今回を入れて2タイトルのみ。早いもんですね~。
ってことで、今回は2002年発売2ndアルバム「HERE WE GO!」です。


J storm移籍後、初のオリジナルアルバム。
前作のキラキラポップアイドルアルバムとはガラリと印象が変わり、ファンキーでクールな仕上がり。それまでの嵐のイメージから考えると、あまりにアーティスティックで挑戦的。
世間的には「え?嵐?w」な空気になってきていたこの時期に、これだけ音楽性に優れたアルバムを持ってきた制作陣の心意気は、ほんとまじGJ。

今や嵐ミュージックにおいて欠かすことのできない、サクラップが登場したのもこの時期。まだ少年らしさの残る声が、このアルバムの持つメッセージ性(葛藤というかためらいというか。逡巡っていうのかな)においてすごく良い味を出してる。

「a Day in Our Life」や「ALL or NOTHING Ver.1.02」の存在感が大きいため、他のアルバムよりHIP HOP色が濃く感じられるのも特徴。けど、しっかり聴けばジャズやファンクのテイストが強く、純粋に音楽好きの方が聴いてもそれなりに楽しめる作品になっているんじゃないかと思います。
そんなわけで、近年の嵐楽曲に慣れ親しんだ嵐ビギナーさんにはちょっとオススメしがたいアルバム。

 

HERE WE GO ! (通常盤)

HERE WE GO ! (通常盤)

 

 

 

 1.Theme of ARASHI(作詞:岩田雅之、Rap詞:SHOW、作曲・編曲:岩田雅之、Larry Hochman)

約2分ほど、嵐……というかアイドルのアルバムとは思えない、壮大なオーケストラが奏でられます。
かと思えば後半は櫻井さんのラップが冴え渡る。なにこのギャップ。
「COOL&SOUL」や「La tormenta」にもつながっていく歌詞はさることながら、「そうさ 確かに 青二才 しかし 五人と共に さらおう時代」なんて言っちゃう攻めの姿勢はこの頃から健在。ぶれません。さすがSHOW先生。
アルバムの持つメッセージはもちろん、嵐としての方向性も、このときに出来る最大限の表現で示してくれた、そんな曲。
ただちょっと、「ARASHI GA YATTE KURU!!」はいらんかったかなぁ。ラップだけでよかった。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15825/

マイレート:★★★★


2.Easy Crazy Break Down(作詞:戸沢暢美、作曲:Michael Clauss・Clas Wrigsell、編曲:鈴木雅也

最近ではあまり歌わなくなってしまった重たいギターサウンドがしびれるダンスナンバー。もともとロック調の曲が大好きなので、こういう曲入ってるとほんと嬉しいです。
「未来の輝きをつかまえるための冒険 過酷なのがいい」っていう詞がなんか今の嵐を知ってから聴くことでよりいっそう泣けるというか。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15826/

マイレート:★★★★


3.君は少しも悪くない(作詞:戸沢暢美、作曲・編曲:岩田雅之

自分に対して気持ちが残っていない彼女を必死で繋ぎとめてる。別れるべきだとわかっていてもそれができない。そういう世界観に当時の未熟な歌声がうまくマッチして良い味を出してんだよねー。
けど、今の彼らが歌うバージョンも聴いてみたい。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15827/

マイレート:★★★★★


4.Tokyo Lovers Tune Night(作詞:久保田洋司、作曲・編曲:Charles Hodgkinson・Sagat Guirey・Kirk Zavieh)

鍵盤と管楽器の疾走感溢れるサウンドがおしゃれ。ジャジーで大人っぽい雰囲気が素敵な楽曲。
あと10年後……とまではいかないけど、アラフォー目前くらいの時期にもう一度歌ってもらいたいなって個人的には思ってます。(笑)
夜の高速を外車でドライブしながら聴きたい曲。もちろん運転席にはイケメン彼氏つきで。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15828/

マイレート:★★★☆


5.a Day in Our Life(作詞・作曲・編曲:SHUN・SHUYA)

ご存知、櫻井さん出演ドラマ「木更津キャッツアイ」主題歌。
J storm移籍後、第一弾シングルということで、現代っ子にはあまり馴染みがないであろう8cmシングル+ワンコイン価格というスタイルでの発売でした。
楽曲を提供してくださったのはスケボーキングのSHUNさん、SHUYAさんということで、これまでのジャニーズにはなかった本格的(って言ったら怒られそうだけど)HIP HOP。ポニキャ時代には考えられなかったですよね、こんな曲。

この曲がなければ今の嵐はなかっただろうなと言えるくらい重要な、嵐の個性を確立したターニングポイントともいえる楽曲。
ラップとメロディの絡み合いがすごく絶妙で。お互いをかき消すことなく上手く引き立て合っているというか。もう10年以上も前の曲だというのが信じられないほどかっこよくて、色褪せないですよね。ほんと。
少年隊の「ABC」をサンプリングしているというのもまたいい。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15166/

マイレート:★★★★★


6.ALL or NOTHING Ver.1.02(作詞:TAKESHI AIDA、Rap詞:SHOW、作曲・編曲:ZAKI)

DVD「ALL or NOTHING」に収録されているもののリアレンジバージョン。
アデイに続いて、こちらもラップとメロの絡みが絶妙。サウンド自体はダークな印象なのに、なんだか妙に心地よさを感じてしまう。んで、二宮のラップが結構いいんだよね。
冒頭の煽りやタイトルの強気な印象とは異なり、歌詞全体のイメージは意外と繊細。
「いつの日か 思い出になるために メロディは 生まれていく」っていうフレーズがすごくきれいで大好き。
この切なくて温かい歌詞と、サウンド、大野さん櫻井さんの歌声とが相まって、どこか懐かしく、それでいて胸がきゅうっと締め付けられるような切なさを感じさせる、独特の世界観を作り出しているなぁと思います。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15829/

マイレート:★★★★★


7.眠らないカラダ(作詞:Takaaki Amamoto、作曲:Hiroshi Yamamoto、編曲:海と山本くん、安部潤

数ある嵐楽曲の中でも指折りのジャズファンクテイストが濃い楽曲じゃないでしょうか。こういう曲は本当、嵐ならではだなと思います。
終始左チャンネルから流れてくるアコギのフレーズがいいんですよね。すごく。
そしてまあ、なんといっても、「Break down~」からの二宮ソロ!!これがね、とてもよい。この収録時はまだ18歳ですよね。たしか。だから色気なんてほんと全然ないんだけど、必死で色っぽく歌おうとしている感じが二宮オタ的には堪らなく。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15830/

マイレート:★★★★★


8.君はいないから(作詞:久保田洋司、作曲:寺田一郎、編曲:岩田雅之

ここでようやくバラード。いろんな意味でせつなすぎる歌詞がまたなんとも嵐らしくって。

髪が少し はねてたって
シャツのボタンが一つ はずれてても
今は何も 気にしなくて
いいはずなのにね
君はいないから

いや、そこは気にしてください(笑)「一人で 観覧車に乗ってみた 自分のこと 写真にとった」ってのもね……お願いだからやめてくれ。哀れすぎる……
サックスの音が主人公の虚無感みたいなものを上手く表現しているなーと思いました。
んで、「迷い猫の~」からの大野さんソロがやっぱりすごい。まだ不安定とはいえ、この頃からずば抜けているものがありますよね。
青春時代の淡い失恋って感じでいいなぁ。ずっと大人っぽい楽曲が続いてきましたが、ここからの3曲は、等身大でこの時しか歌えないようなイメージの曲が続きます。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15831/

マイレート:★★★


9.IROあせないで(作詞:戸沢暢美、作曲:飯田建彦、編曲:CHOKKAKU)

このアルバムでは少し異質の、ポニキャ時代の名残を感じさせるアイドルらしい一曲。
全体的に背伸びしがちなこのアルバムの中では、なんとなく浮いてしまいそうな楽曲だけれど、意外と上手く溶け込んでいる感じ。
早く大人になりたい青春のもどかしさみたいなのがよく出ていてすごく好きなんだけど、ところどころなんとなく好きじゃない音作りが。感想の「ヨーオ!」(?)っていうなんかよくわからん掛け声?も苦手だなー。
けど、トータルでは普通に好きな楽曲です。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15832/

マイレート:★★★★


10.愛してると言えない(作詞:戸沢暢美、作曲・編曲:長岡成貢

前曲に引き続き、こちらもポニキャ時代に比較的近い印象のアイドルソング。
これは歌詞が好きですね。面白い。「誰もが迷子だね 誰もがひたむきに わけあり」とか特に。変に飾ってない、かっこつけてない歌詞で、なんだか妙にグッときちゃったりします。が、タイトルと詞の関連性は全く見えません。私の読解力がないだけ?

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15833/

マイレート:★★★☆


11.星のFreeWay(作詞:比留間徹、作曲・編曲:ZAKI)

イケメン彼氏と夜の高速をドライブしながら聴きたい曲パート2。(笑)こちらもジャズテイストのおしゃれ曲。リズム隊の音がかっこいいです。(つかオマー・ハキムとウィル・リーって……!こんな売れていない日本のアイドルの楽曲に参加してくれるなんてね。この2nd以降も度々参加してくださることになるわけなんですが……ありがたいことですよね。ほんとに。)
「Tokyo Lovers~」といい、この曲といい、今歌ったら絶対もっとかっこいいよね。次出すアルバムではぜひこういう路線の曲を。せめて1曲でも……!

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15834/

マイレート:★★★★☆


12.いま愛を語ろう(作詞:六ツ見純代、作曲:飯田建彦、編曲:鈴木雅也

櫻井さんの低音ボイスがたまらないミディアムバラード。これ、めちゃくちゃ好きです。聴いた瞬間、すぐ虜になってしまったくらい。

言葉が足りなくて傷つけあう日々を
みんな乗り越えひとつになる
胸の痛い夜もムカつく朝も
一緒にいよう I STILL LOVE WITH YOU

はじめからなんでも分かり合えるカップルなんていない。素直な気持ちでお互いに歩み寄ることの大切さを教えてくれるような曲ですね。ケンカ中だったり、お互いが少し信じられなくなっていたり、マンネリ化していたり……というカップルにぜひともおすすめしたい一曲。
個人的には2番Aメロと「交差点の~」から始まるサビの詞が特に好きです。あとは「今日見た青空と明日見る星に」っていうのも綺麗でいいなー。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15835/

マイレート:★★★★★


13.WOW!! (作詞・作曲・編曲:渡辺和紀

「踊り狂え!」なロックチューン。全体的に荒っぽい歌い方なので相葉くんの声がいい仕事してます。
今ではコンサートで歌われることもなくなってしまったけど、もっと歌ってほしいです。「ハジケルんだもっとガムシャラに」なんて、嵐コンサートにぴったりなのに!こぶし挙げたりさ。楽しいのにな~。
こういう何も考えずに突っ走っていけるような曲、大好きです!

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15836/

マイレート:★★★★☆


14.ナイスな心意気(作詞:戸沢暢美、作曲:飯田建彦、編曲:石塚知生

アニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のエンディングテーマ。初のRapなしシングル。
「株式会社アラシの日常」というテーマで作られたPVが印象的でした。七三めがねスーツでね。
リリースも“アラシ”名義で行われ、あくまでも「漢字の“嵐”に憧れるサラリーマン」という設定を貫いていました。(笑)
あとはやっぱり、How’sコンでのカラフルアフロの印象が強すぎて…(笑)良い曲なのにどうしても笑いが先にきちゃう。
「今がすべてじゃないから あんまりムキになんなよ」って詞とかすごく好きだなぁ~。全体的に程よく脱力してて、でも軸はぶれずに持ってるって感じがいいよね。
アルバムのラストを飾る感じの曲ではないけど、ここしか置き場所ないもんね。仕方ないか。

歌詞:http://www.uta-net.com/song/15489/

マイレート:★★★






やっぱり若さゆえの未熟さとか力量不足感は否めないけど、デビューから3年弱のアイドルグループのアルバムとしては文句なしの出来だったと思います。「How’s it going?」ほど方向性が見えてきているわけではないけれど、彼らの音楽性は十分に示せているなと。

特に、その後の嵐楽曲の基盤となっていったともいえるであろう2曲「a Day in Our Life」「ALL or NOTHING Ver.1.02」のHIP HOPナンバーからの、ジャズファンク「眠らないカラダ」の3曲。ここのブロックは本当にかっこいい。

ただ、冒頭でも言ったように、黒さとか刺々しさというのが印象としては強いので、日ごろアイドルポップスばかり聴いているような方がいきなりとっかかるにはちょっと……なアルバムかなと。
逆に、全くアイドルポップスには興味がないけど、嵐気になるかも……な方にはおすすめ。今までで一番、男性受けするタイトルじゃないかなーという気もしてます。あくまで個人的にですが。


さて、ラストは最新アルバム「Popcorn」ですね。これもまたアルバムとしてすごく良いものだと思うので、近いうちにUPしたいと思いまーす。